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定 価:1,400円+消費税
並製四六版
ISBN978-4-87045-244-2

プロローグより


地球崩壊の日(迫りくる水の壁)』復刻に際して

自分の著作について語ることは、好みではない。著作は著作に語らせるほかないと思っている。どんな内容のものであれ、一度公になれば、いかなる著作も、それなりに一人歩きするものである。

これに反して、このたび、『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』について語る気になったのは、上梓してから20数年を経ていることと、20数年来かぶっていた覆面を脱ぐ気になったからである。

『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』を書いていたとき、民間の研究機関に籍を置き、環境問題の研究に携わっていたが、環境問題の現実を目のあたりにして、人類の未来を思わざるをえなかった。

環境問題は人間が自ら招いたものである。有限な地球で、節度を忘れ、限りない欲望に身をまかせ、自然征服に血道を上げた結果である。

現代文明は人間の欲望の赴くままに、利益(プラス)最大化をめざして巨大化・高度化・大量化を邁進した。だが巨大化・高度化・大量化による利益(プラス)最大化はまた、リスクや不利益(マイナス)をも巨大化・高度化・大量化する。

地球は有限である。有限な世界で、限りなく巨大化・高度化・大量化をめざせばどうなるか。プラスが巨大化・高度化・大量化すれば、マイナスも巨大化・高度化・大量化する。これに科学技術の跛行的展開がさらに拍車をかける。だがこれで終わらない。巨大なプラスも、やがて、有限の壁に阻まれ、巨大なマイナスへと転化することになるのだ。

今日の地球環境問題の噴出は、このようなメカニズムによるものである。

『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』は、人類の未来を思いつつ、研究の合間に書いたものである。だが20数年まえにはいまだ内容が突飛過ぎて、単なる「狼少年」の遠吠えと思われたのかもしれない。そのせいか、五部構成の『地球崩壊の日』は、第二部まで刊行して途絶えた。未完の状態で20数年が経った。

その間、さまざまなことがあった。さまざまな地球環境問題がいたるところで噴出して、地球環境は悪化の一途を辿っている。

地球温暖化はどうか。

大気中の二酸化炭素(炭酸ガス)がいまなお増加しつづけ、この100年で30パーセント以上増えてしまった。それにもかかわらず、世界はそして日本は、いまだに実効ある対策をとろうとしない。

『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』では、地球温暖化の果てに、火山灰による地球地球温暖化対策を講じようとして失敗する人間の悲劇を書いた。高慢にも、自然をコントロールできると考えていたのだ。

天空に広がった火山灰の傘は、地球温暖化対策を超えて地球に寒冷化をもたらし、食糧難の世界を現出させる。社会不安から国際紛争を引き起こすなか、突如として世界の火山が連鎖噴火を起こす。地球温暖化で弛んでいた南極の巨大棚氷が突如海中へ、そして大津波が…。

人間が自然事象をコントロールしようとしても、コントロールすることはできない。自然(地球)を完全に支配するには、自然についての完全な理解と完全なデータが必要だ。だが不完全な人間にはそれができない。人間にはどだい、自然のコントロールは不可能なのだ。

2011年3月11日、巨大地震が日本列島を襲った。東日本大震災だ。

新たに日本列島を対象として地球温暖化がもたらすだろう影響をテーマにした新著作近未来小説『地球温暖化の果てに〈4部作〉』、『続・地球温暖化の果てに〈4部作〉』の連作シリーズを完成させたばかりのときであった。

20数年前の『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』があまりに早すぎた感があったので、再度、詳しく書いたものだったが、そのなかで(『続・地球温暖化の果てに〈4部作〉』の第2部以下)、宮城県沖巨大地震の発生と内陸部にある主人公のふるさとの街や母親が住む実家が大津波によって壊滅的被害をこうむる様子を描いていた。

『地球崩壊の日(第1部 迫りくる水の壁)』もひとつの予感にもとづく世界向けのメッセージであった。『地球温暖化の果てに(4部作)』『続・地球温暖化の果てに(4部作)』は、日本列島を対象にやがて襲い来るであろう自然の猛威を具体化した日本へ向けたメッセージだった。書いているあいだ中、こんなことが起きなければいいがと思いながらも、かかる未来が確実に迫りつつある予感を片時も払拭することができなかった。

書き終えてから二ヶ月後(2011年1月、最終巻『続・地球温暖化の果てに〈4部作〉』の第四部をウェブにアップ)、日本列島が大揺れに揺れた。大津波が襲った。沿岸部は壊滅的な被害をこうむり、沿岸に集中立地していた原子力発電所が大事故を起こし、放射性物質を大量にまき散らしている。

地球温暖化はすでにかなり進行しているが、地球温暖化は地表の気温を上昇するだけではない。大気システムを撹乱させ、海洋システムを撹乱し、地殻システムを撹乱させて、ついに地球全体システムを撹乱する。撹乱された地球システムは予期しない動きをはじめる。

人間はすでに、現代文明の巨大化・高度化・大量化を通して、地球システムを撹乱し出してしまっている。日本列島はどうか。中緯度に位置する日本列島はことのほか、地球システム撹乱の影響を大きく受けるのだ。

日本列島はいまや焦熱地獄と化し、滝のような大雨が降り、狂風吹きび、巨大台風が襲う列島に変りつつある。巨大地震や地殻変動も頻発するにちがいない。やがて海面急上昇によって首都圏や臨海大都市は海中へ没し、沿岸工業地帯、臨海発電所や石油精製所などのエネルギー基地も海中に取り残され、日本列島は一段と痩せ細っていくことだろう。

東日本大震災がその前触れでなければよいが、とにかく、東日本大震災で発生した原発事故は、まさに、現代文明の巨大化・高度化・大量化はプラスばかりでなくマイナスの巨大化・高度化・大量化でもあることを実証した出来事となった。その後のもろもろの経過をみるにつけ、現代文明における科学技術の跛行的発展が災害などのマイナスをさらに拡大再生産しているように思えてならない。

せめて、これらが貴重な教訓となって、これまでの生き方が根本から問い直され、新しいシステムの日本が建設されることを乞い願い、その実現を心から祈るものである。


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